コラム

Shirokane no Mori Column

農民・松岡の人生設計
農民・松岡の人生設計

対談「人生・未来を語る」 vol.1 加藤さんご夫妻×松岡義博

今回からスタートした対談シリーズ「人生・未来を語る」。
松岡会長が、熊本県内で活躍する方々にお話を伺います。

第1回目は、山鹿市菊鹿町で自然に寄り添う農の暮らしをしている加藤さんご夫妻です。

松岡会長との出会いは2004年、コッコファームで行っていた農業体験学校「実農(みのう)学園」です。ご夫妻で東京から移住し、2年間、さまざまな学びを得て就農されました。卒業後も、松岡会長とは年に1度、家族ぐるみで会食をし情報共有を行うなど、交流が続いています。移住して20年。ご夫妻にとっての人生・未来について、
お話を伺います。

※実農学園については、こちらのコラムをご覧ください

生き方のテーマを明確に、出会いがもたらす学びを大切にしてきた20年

右から加藤猛さん、松岡会長、加藤尚美さん。加藤さんご夫妻のお宅前で。里山の原風景がここには残っています

右から加藤猛さん、松岡会長、加藤尚美さん。加藤さんご夫妻のお宅前で。里山の原風景がここには残っています

松岡
加藤ご夫妻は、「シェアハウス白金」の発想のヒントとなったお二人。「実農学園」に入学していただいたことをきっかけに出会い、私自身、お二人から学ぶことも多いんです。感謝の言葉が常にあり素晴らしいお二人。この出会い、ご縁は、消えることはないと思っています。

猛さん
そう言っていただけると嬉しいです。「シェハウス白金への道」の冊子にも載せていただき、感謝しています。
東京の大学で出会った私たちはホテルマンになったのですが、忙しい日々を送る中、「もっとふたりの時間を持ちたい」と移住を考えていたんです。そこで、ふたりで豊かに暮らせる地を探している中、コッコファームの「実農学園」のことを知り、熊本にも下見に訪れ、移住を決めました。当時は、まだ「移住・定住」という言葉も浸透していない時代でしたね。
 
食事をしながらの対談。ざっくばらんに昔話を語り合いました

食事をしながらの対談。ざっくばらんに昔話を語り合いました

尚美さん
学園ではコメ・野菜づくりにとどまらず、養鶏も経験することができ、鶏の解体方法やいのちをいただく課程まで、すべてを教えていただきました。農業の技術論ばかりではなく、「人間が生きる」という哲学を学んだ貴重な2年間でした。

猛さん
会長は、経営者であり生産者で、六次産業もいち早く取り組まれていて、すごい方。オーベルジュまで始めた時は驚きましたよ。
楽しい時間はあっという間です

楽しい時間はあっという間です

猛さん
私たちは、「実農学園」を卒業後、まずは菊池で就農し、その後は大津へ。熊本地震で借家に住めなくなり、菊鹿に移り住みました。「実農学園」で学んだことに加えて、“走る豚”の「やまあい村」で家と畑をお借りして、里山の暮らしの豊かさを学び、「菊池養生園」の竹熊先生の元で、農で生きる暮らしを学び、そして大切なひとたちとのつながりを得ることができたんです。いきなり熊本に移住して就農していたら、これらの学びや出会いはできなかったと思っています。
 
学び合うこと、気づき合うことの大切さを語る松岡会長。人との出会いは、人生にとって財産です

学び合うこと、気づき合うことの大切さを語る松岡会長。人との出会いは、人生にとって財産です

松岡
私も、「出会いによって、気づき合うこと」を大切にしたいと、常々思っていますが、お二人は、まさにそれ。出会いによって、各々が気づき、新しい発見をしていく。それに、「ふたりの時間を大切にしたい」という生き方のテーマが明確なのがよいですね。20年経ってもぶれていない。

猛さん
将来、こうなりたいというVISIONってあまりなくて、会長のおっしゃる通り、「ふたりの時間」を大切にしているので、今のこの幸せがあればいいなぁと思っています。そうはいってもこの先いろんなことがあると思うので、その都度二人で話し合って判断していくつもりです。

松岡
お二人と出会って、私も妻への接し方が変わりました。終活の話とかよく話すようになって。それに、妻も二人との会食をとても楽しみにしているんですよ。

尚美さん
挑み続けている会長から、ずっと支えてこられた奥様のお話を聞けることは、とても嬉しいです。

すべてのこたえは自然界にある。周りに存在するいのちは「今、私に必要ないのち」

松岡 
いつも綺麗で美味しい野菜たちをいただいて、ありがとうございます。現在、農業は順調ですか?

猛さん
無農薬で、化学肥料を使用しない農を続けています。畑・田んぼが各地にあるので、土に合わせて野菜の品目を選んだり、圃場の環境に合わせて自然農法を行ったりして、毎回、さまざまなチャレンジをしています。作った野菜やお米は、レストランや個人宅、東京の知人に喜んでいただいています。

松岡
レストランはどちらに?

猛さん
熊本市内の鉄板焼きのお店「KIJIYA」さんなどです。農仲間とのご縁が繋がって、お付き合いが始まりました。アナログの繋がりばかりなんですが、それって確かな繋がりになるんですよね。同じような想いの人たちと話すことでワクワクしています。

松岡
いい出会いが続いているんですね。

猛さん
本当にそうです。ありがとうございます。人とのご縁もですが、熊本に来て、見えてきたことがあるんです。

尚美さん
そう。植物って人間を感じているんです。いつも私たちを見てくれているから、「今、自分たちに必要ないのち」が自然と育つんですよ。だから、それをいただくと、自分が元気になるんです。
 
素材が持つ力を大切に丁寧に調理した尚美さんのお料理。滋味深い味わいのお料理ばかり

素材が持つ力を大切に丁寧に調理した尚美さんのお料理。滋味深い味わいのお料理ばかり

松岡
まさに「コンパニオンプランツ」。人も植物と共生していくことが大事ですね。

猛さん
そうです。畑に行くと、野菜たちも私たちの足音を聴いてくれているんです。そんな風に、熊本に移住して見えてくるようになりました。哲学的ですが、自然界には人間の生き方の"こたえ"があるように感じます。

松岡
同感です。近頃は、加藤さんたちのような生活に憧れて移住する人も増えてきましたよ。心が豊かになれる暮らしに憧れて…。何か秘訣はありますか?

猛さん
私たちは、いつも自然体です。それが、心の豊かさにつながっていると思っています。誰に対しても同じで、遠慮もしないし、過度に前にも出ない。だから、ストレスがないんです。その場だけ繕ってもダメですし。

尚美さん
それと、田舎には「おすそ分け」文化があって良いですよね。出身が東京なので、私の中にも幼い頃から江戸っ子の「おかげさま・お互い様」の心があるんです。この想いがあれば、これまでのすべての出会いに感謝して、大事にしていけると思っています。

猛さん
そう、私たちは、ふたりなりの「唯一無二の暮らし」をしているんです。

松岡
みんなが、二人のように心豊かな人生を送ることができれば、争いや勝ち負けがない世界になれると思います。今日は、お話を聞かせていただき、ありがとうございました。
加藤さんご夫妻が育てた麦を、栃木県の「黒澤製麺所」が製粉・製麺したうどん

加藤さんご夫妻が育てた麦を、栃木県の「黒澤製麺所」が製粉・製麺したうどん

御宿 白金の森

TEL.0968-24-6600

受付時間/午前9時~午後6時まで
※毎週木曜日定休

レストラン 四季農

TEL.0968-24-6622

受付時間/午前9時~午後6時まで
※現在は宿泊客対応のみ

白金温泉 黄金の湯

TEL.0968-24-6655

受付時間/午前7時~午後8時30分まで
営業時間/午前7時~午後9時

スパリゾート シェアハウス白金

TEL.090-1366-8344

受付時間/午前9時~午後4時まで
※平日のみ対応