農のオーベルジュ 白金の森

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vol.3緒方元樹さん _Ogata motoki

「安心して食べていただけるように、 出来るだけ有機に近い栽培方法で アスパラガスを育てています」



緒方元樹さんprofile
熊本県立農業大学校を卒業後、就農。アスパラガスや米などを10年間作り続けています。
代々続く農家の後継者です。
 

取材時は天候がよく、ハウスの中はサウナ状態…


アスパラガスは、茹でたり、炒めたり、比較的手間をかけず、さっと熱を加えていただくと、その食感と、口いっぱいに広がるうま味が、何とも言えない人気食材のひとつ。

 

利尿作用や健胃作用が知られるアスパラガス


数本で「ん百円」するので、ちょっとリッチな食材としても知られています。


JA菊池の「アスパラガス部会」では、品質の統一を図るため1本1本丁寧に選別。特大サイズを1本100円ほどで販売する等、ブランド化する動きもあるようです。







今回、お話を伺った緒方さんは、
農大で学んだ後、祖父から続く「緒方園芸」を継ぐため就農しました。

「祖父は、ナスなどの野菜を。その後、父がかすみ草を栽培していました。
私が就農する頃からアスパラガスをはじめたことをキッカケにかすみ草からシフトし、
現在は、アスパラガスと米・麦などを栽培しています」



6棟のハウスからはじまったアスパラガスは、
段階を経て、19棟まで増え、
年間13トンを出荷しているそうです。

JA菊池で選別されて出荷されるので、なかなか緒方さんご自身の
名前は店頭に出ないそうですが、
「コッコファームたまご庵」ではお買い得な商品が並ぶので、
見かけたら、ぜひ手にとってみられてください。



さて、ビニールハウスで育てられるアスパラガス。
多年草のため、一度植えると2年目から、長年、収穫し続けることが出来るそうです。
現在は、1年目から収穫できる苗も販売されているので、
植えてしまえば、どんどん育ち、収穫が出来るというわけです。


そう聞いてしまうと、「簡単に育つんだ、楽だね」と思ってしまいがちですが、そういうワケにはいきません……。

ハウス内の様子。とにかく暑い…



これだけの親木があるということは、待ち受けているのは収穫です。
機械で一気に…と思いきや、実は手作業!

一本一本、手で収穫していきます。
年間13トン分を…と考えると、気の遠くなる作業です。
 

特製のハサミで、次々と収穫していきます

写真は春芽のアスパラガス。黄化した親木を刈り取った後、ニョキニョキと生えてくる新芽を収穫します。夏芽は、茂った親木の下に生えるため、しゃがんでから行うそうです

約5分の間に収穫されたアスパラガス

除草剤を使わず、手作業で草取りを行います

ふれてしまうと病気の原因になるので、茎にさわらず丁寧に素早く…

暑いの苦手なんです…と汗だくの緒方さん
















他にも、アスパラガスにかける手間はたくさんあります。


新しい株を増やせば、熱や温度調節のため、ハウスを2重・3重にする必要があります。


太陽を浴びて光合成を行いますが、
実は、熱には弱く「夏バテ」をしてしまうそう…(子どもみたい!)、
遮熱と換気の徹底が求められます。



とはいえ、温度を下げすぎると発育が悪くなるので、
涼しすぎるのもNG!
湿度も苦手…
管理が難しい作物です。


口に入れるものなので、
「出来るだけ農薬を使う量を減らしたい」考える緒方さん。


70%は有機栽培で行っているため、
先読みして、病気等の防除に力を入れています。


ということは、
「自分の目」「経験」が大事だということです。



「タイミングの見極めが大事。
責任者でもある自分が行います。
スタッフにお願いすることはありません」。


 

アスパラガスを見守る、その目は真剣です

2重構造のハウス。「新品だと熱を通し過ぎるので、かすみ草農家さんから譲ってもらった中古品がちょうどいいんです」と緒方さん。農家さん同士の連携で、良いサイクルが生まれています

一株から3本ほどが生え、親木に育てていきます。写真は夏芽

散水のタイミング・量を登録するだけです


「ひとつだけ、AIの力を借りている作業があるんです」

それは何かと言うと、「散水(水やり)」です。



アスパラガス栽培には、水が欠かせません。
天候によって変わる水の量、
タイミングなどを自動化することで、

米・麦を約20ヘクタールも管理している緒方さんは、
空いた時間を、田んぼの管理にあてるようになったそうです。
 

光合成をするため2メートルほどに伸びる親木は、110センチほどの高さで芯を止めます。手でポキッと折れる程の柔らかさ。それだけ繊細ということです

光合成をするため2メートルほどに伸びる親木は、110センチほどの高さで芯を止めます。手でポキッと折れる程の柔らかさ。それだけ繊細ということです

茂った葉の間に、小さなつぼみを発見。花が咲くそうです

いただいたアスパラガスは、茹でたり、炒めたり、スープに入れたり…美味しくいただきました

「小規模農家の未来は、チームワークだと思います。 手掛ける作物が違う仲間とも チームを組んで総合力で勝負したい」


「実はアスパラガス苦手なんです…」とバツが悪そうに話す緒方さんですが、
「みなさんに食べてもらえることが喜びです」と、かける愛情は
「アスパラガスが苦手な人」とは思えないほど(笑)。


「でも、ホイルで蒸し焼きにしたのは好き。
カレーや味噌汁もおすすめですよ」。



スジがなく、うま味が詰まった菊池のアスパラガス。
料理長にさらに美味しく調理してもらいますので、お楽しみに。


緒方さん、貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございます。


このコラムは、2020年3月18日現在の情報を元に作成しております。

 
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