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vol.4斉藤敏春さん _Saito toshiharu

「急須で淹れるお茶の美味しさ。 日本茶文化の素晴らしさを、 若い人たちにも広げていきたいです」

斉藤敏春さんprofile
地元高校を卒業後、「国立茶葉試験場」で2年間、専門知識を身につけ、そのまま1年静岡に残り、製茶園で経験を積み帰熊。「斉藤製茶園」の2代目として働きはじめ、今年で35年になります。現在は、「JA菊池茶部会」や熊本県経済連茶専門部会の会長を兼任。日本茶インストラクターの資格を保有。
 
日本茶の歴史を辿ると、奈良・平安時代に遡ります。
起源は中国。薬膳として用いられていた中国のお茶文化を、日本が取り入れたものです。

日本初の茶の専門書「喫茶養生記」には、五臓の病を治す方法についてなどが書かれ、
当時は医学書扱いだったほど。
このことからも、お茶は日本でも良薬としての役割があったようです。

そう考えると、今でも、日本茶は免疫力の向上やリラックス効果が期待できると言われ、
「風邪ばひかんごつ、お茶を飲みなさい」と、祖父母からすすめられていたのは、理にかなっているというわけですね。


「日本にお茶の文化が伝わり、日本茶として新たな文化になっていったわけです。

農園の美しさ、品質など、世界で見ても日本のレベルはズバ抜けています。
だからこそ、日本茶の文化を伝えるということは、日本文化を伝えるということなんです」

 
















斉藤さんは、日本茶業界を揺るがす「お茶離れ」を危惧し、
日本茶インストラクターとして普及活動も行っています。

「ここ10年でペットボトルが主流になると、お茶を急須で淹れる習慣が激減してしまいました。
試飲会をしても、若い世代にはスルーされます。淹れたてのお茶はこんなに美味しいのに…」

 
















そう言って淹れていただいたお茶は、茶葉のうまみ・甘みが凝縮し、まるで出汁のよう。
鼻に抜ける香りまで美味しく、しばらく余韻に浸っていたくなる味わいです。

一煎目、二煎目と味や口当たりが変わるのも面白い。

日本茶は、食卓の脇役のイメージがありましたが、失礼しました! 主役です!

 

水出ししたお茶もいただきました。甘みが強い。不思議です…



















ちょっとしたひと手間。
お湯の温度や時間などに気をつけるだけなんですね。
 
















この日淹れていただいたのは「極上一煎 さえみどり」の新茶。



さて、こだわりと愛情を詰め込んだ「斉藤製茶園」の日本茶は、どうやって育てられているのでしょう。
農園にお邪魔すると、そこには、驚きの景色が広がっていました。



第一印象は、広くて長い!

右に見えるのは鞍岳。

標高300mの場所にある農園。天気がよいと、雲仙普賢岳まで見えるそうです



7品種を4ヘクタールの自社農園で栽培しているため、斉藤さんは一日中、この農園で過ごします。
水が美味しく、肥沃な大地。

水はけの良さや、霜が降りにくいこと、鞍岳から吹く風も心地よく、風通しの良さもバッチリで、お茶が育つには好条件です。


「私自身もストレスフリーなんです」と斉藤さんも笑顔で話します。


茶葉を刈る際は、機械で一気に行います。

その際、効率良く作業ができるようにと、うねの長さが200メートルもあることも特徴で、
「熊本では、一番長いかな」と斉藤さん。

ただ、途中で隣に移動できないので、作業日の斉藤さんの歩数は、とんでもないことになるそうです(笑)。
 

茶葉を刈るのは4月下旬〜5月下旬頃。お邪魔した日は、刈ってすぐのタイミングでした






少し下ったところには、約50アールの農園があり、JASオーガニック認証の有機栽培を行っています。

 
















こうして育った茶葉は、自社工場で製造します。
「ブレンドはせず、100%自分の農園で栽培し、自分の工場で製造する」
これが、斉藤さんのこだわりです。

 
約4時間かけて、生葉から、蒸しや冷却、乾燥、揉み……などの行程を経て完成します。
自動制御装置もありますが、大事なのは人の目。気候や茶葉の状態などで、微妙な調整が必要になります。

これまでの経験を活かし、斉藤さん一人でチェックして仕上げていくそうです。
 
この生葉が、たくさんの行程を経て、私たちに馴染みのある茶葉になります。
 















このままで食べたくなる、美しさです。



こうしてお話を聞いてからいただくお茶は、
今まで以上に美味しいことでしょう。
 


「機械化が進み、作業効率は良くなりました。
ただ、日本茶は頭打ちの状態。
量を増やすよりも質を上げることが
大事だと思っています」




斉藤さんのお茶は、
茶葉のブレンドをせず、自園自製100%にこだわることで、
農林水産大臣賞をはじめ、たくさんの賞を受賞するなど、
数々の実績を残しています。


さらには、お茶を使ったスイーツなどの加工品を開発し、日本茶文化に馴染みの少ない若者に、お茶を身近に感じてもらうための取り組みも怠りません。

生産量を増やすより「特別」を……。

斉藤さんは、この想いを体現されているのです。
そして、地域単位でのJAS認証などへのチャレンジをはじめるなど、仲間とともに「特別」を求めていくと、最後に話してくださいました。



●このコラムは、2020年5月25日現在の情報を元に作成しております。
●斉藤製茶園さんの商品は、製茶園ほか「コッコファーム たまご庵」で購入可能です。
お茶の魅力をもっと知りたい方は、「斉藤製茶園」ホームページをご覧ください


 
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